敬語・謙譲語を使いこなそう
敬語と謙譲語、正しく使えていますか?
最近の若い人は敬語を使えない、という意見をよく聞きます。
しかし若い人だけではなく、大人でもきちんと理解して使っている人は少ないのではないでしょうか。
私も、相手に失礼のないようにと意識はしていますが、自分の使っている敬語には自信がありません。
そこで今回は敬語と謙譲語について書いていきます。
敬語とは
敬語は、「話し相手に対して敬意を表す言語表現」です。
敬意を向ける対象は、以下の3つになります。
①対象の人、目上の人・・・「〇〇様」
②話題対象の人に属すること、もの・・・〇〇様の「ご令嬢」「ご衣装」など
③話題対象の人の行為・状態・・・〇〇様が「いらっしゃる」「ご挨拶なさる」など
これらを合わせた例文は「〇〇様のご令息はお忙しいようですね」となり、一般名詞・形容詞・形容動詞には「ご」「お」をつけることで敬意を表せます。
二重敬語に注意!
1つの語について、敬語を二重に使ったものを二重敬語といいます。
よく間違えてしまうのが、「〇〇部長様」です。
「部長」は役職名でその名称だけで敬意を表しているため、「様」をつける必要はありません。
この場合は、「部長の〇〇様」と表記すれば良いのです。
私の以前の上司は、よくこの間違いをしていました。
おそらく昔からのくせや思い込みのせいでしょう。
ずっと気になっていたのですが、上司に指摘はしにくく、言えずじまいでした。。。
このように、社会に出ている大人でも間違えて覚えていることもあるのです。
謙譲語とは
謙譲語は、「敬語の一種で相手に対して自分の立場を下げて話す語法」のことです。
「お客様がいらっしゃったので、私たちも参りましょうか」を例にします。
お客様=相手 → 「行く」の敬語にあたる「いらっしゃる」
私たち=自分 → 「行く」の謙譲語にあたる「参る」
同じ「行く」という動詞ですが、上記のような使い方が正解です。
参考までに…
・言う → 敬語「おっしゃる」 謙譲語「申す」
・食べる → 敬語「召しあがる」 謙譲語「いただく」
・する → 敬語「なさる」 謙譲語「いたす」
同じ動詞でも、敬語と謙譲語では言い方が大きく異なりますよね。
対等の関係であれば敬語も謙譲語も不要ですが、この関係を崩すことで違いを理解することができます。
相手を上げるのが「敬語」で自分を下げるのが「謙譲語」、これがポイントです。
対等の立場から相手を上げても自分を下げても対象者のほうが上に立っており、敬意を表すことができます。
そのため、謙譲語も敬語の一種と言えるのです。
以上のように、2つの違いをきちんと理解すれば間違いを防げます。
なんでもかんでも丁寧に言えばよい、というわけではありません。
基本的な間違いをすると、稚拙な印象を受け、あなた自身の信用を失ってしまうこともあります。
敬語・謙譲語を正しく使うことはビジネスシーンでも大変重要になってくるため、自分の敬語に不安があるかたは、これを機に知識をつけてみてはいかがでしょうか。